東京高等裁判所 昭和33年(ラ)606号 決定
仮処分の場合において、民事訴訟法第一一五条第三項にいわゆる訴訟の完結とは、その仮処分の本案訴訟が既に提起せられている場合には、これをその本案訴訟の完結の意と解するのを相当とすること抗告人主張の通りであろうが、本案訴訟がまだ提起せられない前に仮処分事件が完結した場合にはその仮処分事件の完結を以て右にいう訴訟の完結があるものと解するのが相当である。今本件についてこれを見るのに、仮処分事件は相手方等の執行取消により既に終了したものであり、右仮処分についての本案訴訟が提起せられたことは何等これを認むべき資料がないのであるから、右にいう訴訟は既に完結し、担保権利者である抗告人に権利行使の催告をしてその権利行使がなければ担保の取消を為し得る関係にあるものと認めるのが相当である。従つて原決定には何等の違法もなく、本件抗告は失当たるを免れない。
(薄根 村木 山下)